ウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリさんが国連で熱のこもった演説をおこないました。
「よくもそんなことを」 トゥンベリさん、怒りの国連演説
【AFP=時事】スウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん(16)は23日、米ニューヨークで開幕した国連(UN)気候行動サミットで演説した。トゥンベリさんは、世界の首脳らが温室効果ガス排出問題に取り組まず、自分たちの世代を裏切ったと非難し、「よくもそんなことを」と怒りをぶつけた。
アントニオ・グテレス(Antonio Guterres)国連事務総長が開催した同サミットは、実現が危ぶまれるパリ協定を再び勢いづかせる狙いがある。熱の込もったトゥンベリさんの演説は、サミットの基調を定めるものとなった。
トゥンベリさんは「私はここにいるべきではない。大西洋の向こう側に帰って学校に通っているべきだ」と言明。時に声を震わせながら「あなた方は希望を求めて私たち若者のところにやってくる。よくもそんなことができますね」と批判し、「私たちは大絶滅の始まりにいる。それなのに、あなた方が話すことと言えば、お金や永続的な経済成長というおとぎ話ばかりだ。よくもそんなことを!」と怒りをあらわにした。
トゥンベリさんは、気候変動対策をめぐる政府の怠慢に抗議する若者の運動を代表する世界的な「顔」となっている。この運動では20日、世界各地で数百万人の児童・生徒が学校ストを行った。
23日の国連発表によると、パリ協定に応じ、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」を達成することを約束した国は、66か国に上る。
気候サミットには、当初欠席する予定だったドナルド・トランプ(Donald Trump) 米大統領が急きょ、短時間ながらも出席した。トランプ氏は、地球温暖化が人為的な原因により起きているとする科学界の結論に対し、繰り返し疑念を示している。トランプ氏は会場で、インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相の演説を聞き、拍手をした後に退場した。
グテレス氏はこれに先立つサミット開幕時、「気候の緊急事態は、われわれが現在、負けている競争だが、勝つことのできる競争だ」と述べた。
エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は、チリ、コロンビア、ボリビアの首脳と会談。会談では、世界銀行(World Bank)、米州開発銀行(IDB)、国際環境NGOコンサベーション・インターナショナル(Conservation International)が、世界の森林保護のため5億ドル(約540億円)を追加で投じると確約した。【翻訳編集】 AFPBB News
出展:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190924-00000001-jij_afp-int
ここではトゥンベリさんの国連のスピーチで気になるフレーズや英単語に焦点を当てて解説いたします。
1.グレタ・トゥンベリさんの演説映像
まずはグレタ・トゥンベリさんの演説映像をご覧ください。
母国語でない英語でゆっくりとスピーチをされていたので聞き取りやすかったと思います。
2.グレタ・トゥンベリさんの演説で気になるフレーズ
![](https://www.theworldtrendnews.xyz/wp-content/uploads/2019/09/20c75a28174d8013a7e7991b2890a9e5-300x173.png)
モデレーターの「世界のリーダー(権力者)にどんなメッセージがありますか?」という質問でトゥンべりさんの演説が始まります。
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My message is that we’ll be watching you.
「私のメッセージは我々(若者)はあなたたちを注意深く見守っている」
・・・ということですが、このwatchingという言葉は見ていると直訳されやすいのですが、この様な場合、見守っている(見張っている)・・・むしろ監視しているという位の強い意思が伴った行動を指します。
英語で見るには3段階あり、
watching=物事を注意深く見る場合に使用
looking=景色を眺める時とか、人を見るとか視線を向けて見る場合に使用
seeing=自然に視界に入る
・・・という違いがあります。 注意しましょう。
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How dare youとは、日本語では「よくもそんなことを」という意味合いになりますが、相手(この場合、権力者)を強い姿勢で非難する意志が確認できます。
![](https://www.theworldtrendnews.xyz/wp-content/uploads/2019/09/48ff1f4e6e82b08d29dc4002504b49c9-300x179.png)
We are in the beginning of a mass extinction・・・というフレーズですが、”mass extinction”が聞き慣れない言葉ではないでしょうか?
直訳すると絶滅という意味ですが、トゥンべりさん世代が(気候変化の要因で)絶滅することになる・・・と彼女は注意喚起しています。
extinctionとは抹殺とか絶滅するとか全く無になる状態をあらわしますが、ここでトゥンべりさんがmass extinctionという言葉を使ったのが環境問題に対する危機感のあらわれです。
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For more than 30 years the science has been crystal clear.
「30年以上科学が正しいことを証明してきた」と述べておられます。
ここで気になった単語はcrystal clearという言葉です。
crystalとは水晶ですが、英語で自明(証明するまでも無く説明することも必要ないくらいあきらななこと)の事象をクリスタル・クリアと表現し、よく使われる言葉です。
一点の曇りも無いくらい明確なことをさすのですが、科学が30年以上にわたって二酸化炭素の増加が地球に温暖化を引き寄せていることを明確にしている・・と強い口調で述べておられるのです。
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How dare you continue to look away.
「よくこの問題を無視できますね」と言っていますが、ここでも”How dare you”という言葉が使われています。
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They also rely on my generation sucking hundreds of billions of tons of your CO2
(ここは一つの長文ですので解説は下でおこないます)
![](https://www.theworldtrendnews.xyz/wp-content/uploads/2019/09/e71c1b4c6a664192f1d986a7686eca6f-300x174.png)
out of the air with technologies that barely exist.
「彼らは我々世代が大量の二酸化炭素を処理する様に仕向けている、(実際問題)処理する技術が現存しないのに」
ここではsucking hundreds of billions of tons of your CO2の表現がまず気になりました。
まず、hundreds of billions ofという表現ですが、直訳すると数千億という意味合いになります。しかし二酸化炭素の数値が数千億という言葉で表現するのが適切か?と考えるとそうではありません。ですから、「大量の」という表現になります。
他にも、gazillions ofとか billions of とかmillionsとか無限大に存在するものをあらわす時に使う表現がありますが、どの表現が出てきても「大量の」と翻訳すると良いでしょう。
そして、suckingとは吸うという意味合いですが、ここで「大量の二酸化炭素を吸う」という風に翻訳するとおかしな理解になってしまいますので、処理という表現が適切です。
最後にbarely existというフレーズがでてきましたが、”barely”は「かろうじて」とか「ほとんど・・・ない」という事象を表す時に用いる表現です。
二酸化炭素を処理して温暖化を抑制する技術は現時点、存在していないのでこの様な表現になるんですね。
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We would have to live with the consequences
「我々が(環境問題に)苦しめられなければならない」と言っています。
Consequenceとは、「成り行き」とか「結果」と翻訳されることが多いですが、ある問題に対して将来的に発生する否定的な現象をさします。
例えば、お酒を飲みすぎると、肝臓を悪くする現象がconsequenceですし、食べ過ぎると太るのもconsequenceです。
トゥンべりさんの場合、二酸化炭素が増えすぎることにより発生するであろう環境問題がconsequenceです。
![](https://www.theworldtrendnews.xyz/wp-content/uploads/2019/09/514e7d9fa24ffb67836fa96652eda268-300x169.png)
We will not let you get away with this.
「我々はあなたたちがこの問題から逃れることを許さない」とここでも強い口調です。
get away withとは罰則を受けずにやり過ごす事象をさすことがおおいですが、大量に二酸化炭素を排気し環境を破壊したのに何の対策も取らなかった権力者が、無条件で立ち去ることは許されるはずがありません。
環境を破壊した権力者には責任を取ってもらうことが必要ですので、この様な強い表現を使われているのですね。
3. 復習-覚えていただきたい英単語とフレーズ
(1)見るにはいろいろな単語があること
watching=物事を注意深く見る場合に使用
looking=景色を眺める時とか、人を見るとか視線を向けて見る場合に使用
seeing=自然に視界に入る
・・・という違いがありましたね、覚えておきましょう。
(2)How dare you
「よくもそんなことを」という意味合いですが、相手を強い姿勢で非難する際に用います。また、How dare you単体でも「何を言うんだ!?」と相手を抗議する時に使用できますので覚えておきましょう。
(3)Mass extinction
絶滅という意味合いですが、人間がこの様な現象に襲われない様に環境保全することが大切ですね。
(4)Hundreds of billions of
大量のという意味合いですが、gazillions ofとか billions of とかmillionsと言った言葉が出てきても同じ意味だと言うことで理解しましょう。
(5)Consequence
日本語だと「成り行き」とか「結果」と翻訳されることが多いですが、ある問題に対して将来的に発生する否定的な現象をさしますので間違えない様に理解しましょう。
例えば、お酒を飲みすぎると、肝臓を悪くする現象がconsequenceですし、食べ過ぎると太るのもconsequenceです。
トゥンべりさんの場合、二酸化炭素が増えすぎることにより発生するであろう環境問題がconsequenceでしたね?
(6)Get away with
悪人が罰を受けずに逃げ切ったりする様な事象「罰を受けない」で「逃げ切る」という二つの言葉両方の条件が成立する時にあらわす表現です。
覚えておきましょう。
4. ネットの声
トゥンベリさん(16歳)「私はここにいるべきでない。大西洋の向こう側に帰って学校に通っているべきだ。私達は大絶滅の始まりにいるのに、あなた方はお金や永続的な経済成長というおとぎ話ばかり。よくもそんなことを!」
20日、世界各地で数百万人の生徒が学校ストを行ったhttps://t.co/9VqTzu0SRE— 盛田隆二 (@product1954) September 23, 2019
スウェーデンの高校生環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)は23日、米ニューヨークで開幕した国連気候行動サミットで演説… https://t.co/vcr4EJR3QN
— AFPBB News (@afpbbcom) September 23, 2019
洋の東西を問わず子供を使いたがる人達がいる。子供が世の中や政治に関心を持つのは良い。しかし彼らが温暖化のような複雑な問題の解決策が作れるわけではない。彼女も言うように彼女は演説ではなく、学校に通うべきだ。 https://t.co/Q6w7UcEcOm
— 馬場正博 (@realwavebaba) September 23, 2019
「私はここにいるべきではない。大西洋の向こう側に帰って学校に通っているべきだ」
「あなた方は希望を求めて私たち若者のところにやってくる。よくもそんなことができますね」大人が若者任せにしてる現状、ほんとに恥ずかしい…
トゥンベリさん、怒りの国連演説 https://t.co/EwqMoAyExp
— 瀧波ユカリ🍖Ekodachan author (@takinamiyukari) September 23, 2019
5. まとめ
ブログ管理人はトゥンべりさんがおっしゃっていることすべてが正しいかどうかは判断ができませんが、環境が人間の活動で破壊されることに対して危機感を持って注意喚起することは良いことだと思います。(しつこいですが、トゥンべりさんの活動が正しいとも誤っているとも思っていません。中立的な立場にいます。)
人々が自然や環境に目を向けて少しでも住みやすい状態になり子孫に安全な環境を残してあげられればな・・・と思いました。